教科支援

お泊まり研修旅行から帰ってきたT君、元気に学校に来ています。

 

「社会の受業が、ぜんぜん意味がわからな~い」と言っていたので、一緒に授業に出ることにしした(本人にやる気がないからできないという担任を説得・・シンドイ・・・)

 

世界から見た日本、世界と日本の結びつき、身近な地域・・・・・社会って意外に難しい・・

T君は地図の見方も把握できていない。日本地図→秋田県はどこ?

お茶は静岡が有名だよな~・・(お茶を飲まないからワカンナイ・・)

 

T君の家に行くとわかる・・・

家のテレビはおじちゃんのために中国語のDVD専用

ニュースを見ることはない・・もし見たとしても意味がわからないだろう

T君の身近な地域は・・学校だけかもしれない

 

日本生まれで日本国籍を持ってても、日本についてわかることなど何一つない・・・親が異分化の場合、こういう子供がいるのは当然のことなのに、日本のことを知らないのは本人の努力が足りないからだ・・・そう決めつけられてしまう

 

T君のような場合、外国人に教えるつもりで教えていけば理解できるようになるのだが指導者にその力量がない・・・

「ホント、教えてもわからないんですよ。バカでもないのですが、やる気がないんです」・・

そんな、支援者・・「あなたも子どもに日本語を教えませんか?」と広報で集められた非常勤講師では、それが限界かもしれない・・・。

 

サーゼロから始めるぞ~・・・幼稚園の子どもの教えるように教科書を説明した。

T君にはわかることなんか何一つないんだものね~・・君にとって日本は母国とは言えない。でもね、これから日本の国で生きていくなら、もっと日本のことを知らなくちゃね。ゆっくりで良いから日本のことを勉強して行こうね・・・

「ウン、ウン」と頷いたT君、学びに遅いと言うことはない。頑張ろうね・・

 

5時間目の社会の受業を終え担任に・・「すみません、無理を言って申し訳ありません。少し理解したようですが・・また宜しくお願いします」と言ったら・・

「イヤー・・いつも寝てるか、ぼやっとしているだけなのに、寝ないで聞いてるだけでも奇跡です。できれば社会の受業に付いてくれるとありがたいです」・・と本音かヤケか(苦笑)

 

*早速学校に交渉し、勤務時間をずらして貰いました。

一時間目から5時間の受業体制を2時間目から5時間に移動しました(5時間目の社会の受業に出るため)

 

子どもを救うためには、まず現場を変える・・・そして答えを出して行く・・

そのために必要なのは、日本語指導者の力量・・・