インターンシップ(高校生からの手紙)

定住外国人受け入れに関して、自治体関係機関や支援者のための講演会や養成講座を幾度も行ってきました(文化庁委託事業も含め)

 

しかし継続してわかったのは、どんな講演や日本語支援の学びも担当者が移動すれば元の木阿弥・・・・学びの引継ぎはなされない・・という現実でした。

地方の町では、外国人支援を弱者救済と捉えたら行政を巻き込むことはできません

外国人集住地域と違い、過疎化・少子化する地方の町は介護や一人暮らし、貧困・自殺など弱者救済事業がてんこ盛り・・行政には、これ以上弱者救済を受け入れるキャパはない(苦笑)・・現実があります

 

国際交流協会も大学もない地方の町で、住民に多文化共生を理解してもらうことは簡単ではありませんでした。

しかし、「国際理解も人間理解」という視点で、地域の文化資産であるリソースパースンとの関係構築を図りながら、多様な巻き込み活動の実践と蓄積を行ってきた結果、日本語教室は地域住民に必要な場所として認められるようになりました・

 

 

日本語教室で高校生のインターンシップを引き受けるようになり7~8年になります

当初、引率教師は、大学生でも留学生でもない人が学ぶ日本語教室なのだからそんなに難しいことを教えていない・・と思っていたようでした。

 

能代教室の目的の一つとして、「日本語能力試験N3以上合格」があります。日本社会の甘くない現実・・自立し子供を産み育てるためには、N3レベルの日本語能力が必用です。

 

引率教師は日本語教授法の実際を見て驚くと同時に、受講生たちの真摯に学ぶ姿に感動します(プロの教師だからこそ見抜いてくれます)

 

今年のインターンシップの高校生(S君)からお礼状が届きました。

能代教室の目指すところを見抜いていました・・読んで見て下さい

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抜粋・・

 先日のインターンシップでは、ご多忙中にもかかわらず貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。

 今回のインターンシップでは、日本語の教え方や外国の方との接し方、また正しく優しい日本語について知ることができました。

 先生方は、私たちが普段会話使っている日本語というよりは、丁寧で優しく使い回しの効く日本語を教えていらっしゃいました。実用性も大切なのだと気づきました。

 人にものを教えたり、言葉が違う人とコミュニケーションをとることは、将来自分がどのような仕事についても大事な経験になると思います。そしてやはり、誰かのために役に立っているということに大きなやりがいを感じました。

このインターンシップで学んだことや感じたことをじぶんの進路につなげて行きたいと思います。

 インターンシップ期間は終わってしまいましたが、引き続きお邪魔させていただき、活動を続けたいと考えています。

 今後ともご指導のほど宜しくお願いいたします。

 

        N高校2年生  F・S より

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彼は、今も日本語教室のお手伝いに来ています。

「言語の学びに、実用性も大切なのだと気づきました」と書いてくれました。

彼の言葉は、日本の英語教育にも言えることです。

 

留学生でも大学生でもない、生きるために言葉を学ぶ人たちだからこそ、言語教育の本質を伝えられるのだと思いました。

 

これだから・・・若者を育てるのはやめられないんですよね~

F君の生徒はKさん(フィリピンのお嫁さん)・・簡単な英語しか通じないので教授法が必要・・教授法の威力?!に驚いています。