日本語教室で育つ人たち

 能代は大学がないので長期留学生はいないが、短期で米国の高校生を受け入れているS高校があり、その学校で国際理解講座(地域の国際化)をしたり、留学生に日本語教室に入ってもらい、受講生と一緒に日本語指導をすることもある。

 

「日本語教室の受講生(生活者)と留学生が一緒に学ぶなどできない」と言う人がいるが、これが意外に面白い・・・
文化が違おうと言葉が違おうと嫁に来るような外国人と蔑もうと、大人が子供を思う気持ちに変わりはない、まして、日本語を学びたいと来日した子供達なのだから歓迎しないわけがない。
 
留学生との交流は、外国語(英語)が話せる人や日本独自の文化を伝えられる人がおこなうもの・・・それ以外考えられない自治体や国際交流協会がまだまだ多いが、定住外国人が日本語や日本の文化に戸惑いながらも生活者として暮らすようになっている昨今、その定住外国人を利用?!しない手はない(苦笑)

 

それを実現するために必要なのが・・識字指導・・

 

日本語教室に様々な考え方があるだろうが、能代は徹底して識字指導をしている。
日本語能力試験N3レベルを目指す教室なので、読み書きができないのはビギナーだけ(2ヶ月もすればひらがなの読み書きはできるようになる)
お嫁さん達は働くようになっても勉強に来る。
日本語教室で学んでいることを堂々と話すようにとアドバイスしているので、職場も家族も積極的に協力してくれる(日本語の読み書きができる外国人は職場でも優遇される・・・田舎であればあるほど・・苦笑)

 

受講生達は、日本に住み日本語を学ぶ先輩として自覚を持って、留学生達と接してくれる

 

日本語支援を弱者救済活動だと思う人には考えられないかもしれないが、生活しながら日本語を学ぶ人たちは腹をくくっている。

だからこそ、コミュニカティブ日本語より生きる力になる日本語を学びたい・・・

 

日本語教室が自治体や地域住民に評価されない要因の一つに、教室での成果が上げられる。
日本語の学びで自立した人、日本語の学びで学校の成績があがった人、日本語の学びで免許を取得した人、日本語の学びでどんな交流ができるようになったかなど、・講演会やワークショップを繰り返すだけでは自治体からの評価は得られない。実質的な成果を見せて行かなければならないのが地域日本語教室の現実・・「優しいおばさん奮戦記」では相手にしてもらえない(苦笑)

 

25年も継続してくると、見えなかったものが見えるようになる
定住外国人は決して弱者ではない。
根性もあり、頭だって悪くない
異国で生きると決めた人たちは、腹がすわっている。

 

教室で勉強したいと訪ねて来た時点で、「おっ!根性のある外国人発見!」と思えるようになった自分が居る・(苦笑)

これからも変わらずに継続していけたら・・地域再生の鍵になるかも・・ね!

 

 

教室の受講生たちの様子を・・2名

  1・・・中国からのお嫁さん・・Fさん
  「いよいよ4月9日全日本きもの装いコンテスト世界大会が近くなりました。 外国人として出られることになりました😉
 楽しみだけど、緊張もしています🙈。大会に出ることが目的ですが、日本の文化として今後も忘れずに自分で着られるようにしたいです」

 

 2国立大学に合格した・・Y君
  「支える人になり恩返しをしたい。中国で生まれ日本で育ったことは自分の長所だと気づいた。人口が減少する日本では、女性の社会進出だけでなく

  外国からの移住者も貴重な人材。そう言った人たちを助ける仕事をしたい。大学の4年間でどんなことができるか学びたい 」

 

 

大学生でも留学生でもないのだから、日本人の心を伝えるなど無理・意味がない・・そういう人たちがまだまだいる(もしかしたら増えていくのかもしれないと危惧する)

 

しかし、私は確信する。
 本当の日本の良さを伝えてくれるのは、日本語教室で日本語を学び、偏見や差別のない日本人に囲まれて育った異文化をルーツに持つ子供達や、自立するお嫁さん達であろうと・・

 

みんなーガンバレ!!